令和5年最低賃金のための最低賃金額以上かどうかを確認する方法

【最低賃金額以上かどうかを確認する方法】
支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。
(1) 時間給制の場合
時間給≧最低賃金額(時間額)

(2) 日給制の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、

日給≧最低賃金額(日額)

(3) 月給制の場合
月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

(4) 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合
出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算し、最低賃金額(時間額)と比較します。

(5) 上記(1)、(2)、(3)、(4)の組み合わせの場合
例えば、基本給が日給制で、各手当(職務手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記(2)、(3)の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

【月給制の場合の換算方法1:○○県で働くAさんの場合】

○○県で働く労働者Aさんは、月給で、基本給が月150,000円、職務手当が月30,000円、通勤手当が月5,000円支給されています。また、この他残業や休日出勤があれば時間外手当、休日手当が支給されます。M月は、時間外手当が35,000円支給され、合計が220,000円となりました。

なお、Aさんの会社は、年間所定労働日数は250日、1日の所定労働時間は8時間で、○○県の最低賃金は時間額1,000円です。

Aさんの賃金が最低賃金額以上となっているかどうかは次のように調べます。

(1) Aさんに支給された賃金から、最低賃金の対象とならない賃金を除きます。除外される賃金は通勤手当、時間外手当であり、職務手当は除外されませんので、

220,000円-(5,000円+35,000円)=180,000円

(2) この金額を時間額に換算し、最低賃金額と比較すると、

(180,000円×12か月)÷(250日×8時間)=1,080円>1,000円

となり、最低賃金額以上となっています。詳しくは、都道府県労働局又は最寄りの労働基準監督署にお問い合わせください。